カナダ最西のブリティッシュ・コロンビア州は天然温泉が多く点在することで有名で、その数、実に100以上あると言われています。
西海岸を中心に火山が多く存在するため、熱い温泉が各地で湧き出ています。
今回は、そのうちの最も人気の高いエインズワース・ホット・スプリングス(Ainsworth Hot Springs)のご紹介をさせて頂きます。
☆エインズワース・ホット・スプリングス
エインズワース・ホット・スプリングスは、ロッキー山脈の西側の麓に広がるクートニー地域にあります。
太古の昔から、山に湧き出す源泉がクートニー湖に流れ出していたエリアで、先住民であるタナタ族(The Ktunaxa)のヒーリングの場となっていたそうです。
その後、ヨーロッパ人の入植がはじまり、150年前にカナダが建国されてからは、このエリアは豊富な鉱物資源が採取できることから町となり、それに伴いリゾート地として温泉施設が整備されていったとのことです。
数ある温泉の中でも、このエインズワース・ホット・スプリングスが人気なのは、ユニークな洞窟温泉がある点です。
北米の温泉によくあるプール型入浴場の隣に「Cave」と呼ばれる洞窟場の温泉があります。
☆ 洞窟温泉、Cave
50mほどの長さがある洞窟温泉は、ぐるりと一周できるようになっており、中は薄暗いですが、どころどころライトアップされていて神秘的な空間を醸し出しています。
天井や壁は温泉成分により鍾乳洞化されており奇怪な雰囲気も感じられます。奥のほうには熱い源泉がチョロチョロと流れ出ている箇所もいくつかあり、入浴客は、それぞれお気に入りのスポットを見つけて自由にくつろいでいました。
☆ 鍾乳洞化された洞窟
洞窟の中は湿度が高くサウナのように感じられ、「しばらく浸かったら、冷たい空気を吸いに洞窟の外に出て、また洞窟へ戻る」を繰り返すのがツーの入浴方法だそうです。まさに日本のサウナのようですね!
47度の源泉温度を42度まで下げて流しているとのことで、屋外のプール型入浴場では平均35度まで湯温が下がっており、一般のプールのように長く入っていられます。
温泉の効用は筋肉の緩和と鎮圧だそうで、ミネラル成分が豊富で、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどが多く含まれます。
☆ 温泉棚田
入浴場から排出された温泉は屋外へと排出されますが、温泉成分により温泉棚田ができ、湯気が立ち上がっていました。
日本とは、ちょっと違った水着を着て入るシステムですが、カップルやファミリーが男女一緒に温泉を楽しめるのが北米温泉の醍醐味ですね。
カナダの山奥、クートニー湖とそれを囲む大自然の中でマイナスイオンを感じながらの天然温泉をぜひ多くの方にも楽しんで頂きたいです。
アクセス
エインズワース・ホット・スプリングスはハイウエイ31号線上にあり、西のバンクーバーからは約700㎞。東のカルガリーからは、約600㎞の距離です。
最寄りの空港は22㎞離れたカスロ空港(Kaslo Airport)が便利です。
温泉施設:
年に数日あるメンテナンス日を抜いては年中無休で、10時から21時まで営業。
売店、レストラン、宿泊施設もあり。
入場料は大人13カナダドル、学生とシニアは12カナダドル、3才~12才は10カナダドル、それ以下は無料。
タオルや水着の有料レンタルもあり、脱衣所で着替えたら貴重品と荷物を係員に預けるシステムになっているので着替えが入るカバンを持参することをお薦めします。