カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のほぼ中央に位置する町、カムループスを歩いていると汽笛が聞こえてきました。
その汽笛につられて、ダウンタウンにある駅まで行ってみることにしました。
今回はカムループス・ヘリテージ・レイルウェイのご紹介をいたします。
☆ カムループス・ステーション
素敵で重厚なレンガ造りのカムループス・ステーションは、1927年に建てられたもの。
現在は歴史的建造物として保護されているとのこと。
カムループスの町は、その昔、ヨーロッパ各国へビーバーの皮などを輸出する交易で栄えた町で、物流手段となるトンプソン川沿いに鉄道が敷かれ、駅が建てられました。
現在もカナダの交通の要であり、鉄道と国道一号線を利用して、多くの貨物列車と輸送トラックが行きかい、遠くは5000キロ離れた東部カナダまで物資を運びます。
しばし駅を眺めていると、パッパカと馬の足音が聞こえて来ました。
なんと、カウボーイたちです。
今から駅に入ってくる蒸気機関車のお出迎えだそうです。
いよいよ蒸気機関車が入ってきました。
☆ 蒸気機関車 スピリット・オブ・カムループス
この「2141」という数字がつけられた蒸気機関車は、スピリット・オブ・カムループス(Spirit of Kamloops)と呼ばれ、”She”と女性系で呼ばれます。
今から100年ほど前に活躍した蒸気機関車ということですから、お婆ちゃんですね。
カナダ東部のオンタリオで製造されたこのお婆ちゃんは、1913年から1953年にかけて、カナダの各地で乗客を乗せたり、木材輸送をして活躍したとのこと。
そして、現役を引退したところに、ここカムループスの町により観光機関車として買い取られ、以来、地元の人に愛されているとのことです。
現在は地元や遠方から来る観光客を乗せて、エンターテイメントショーをしながら、町の周辺をぐるりと一周します。
☆ 西部開拓時代を演じる役者たち
季節ごとにテーマが変わるこのレイルウェイ・ショー、9月のこの日は開拓時代がテーマ。
機関車の中に娼婦のようなダンサーが乗り込んだり、鉄砲を持ったカウボーイが機関車を追いかけてきたりと、エンターテイメント性が盛りだくさんなショーです。
まるで一世紀前にタイムトリップしたような体験をし、最後は乗客と役者たちの記念撮影で締めくくられます。
このショーは、だいたい1時間半、8キロの距離を走行しながら行われます。
事前にチケット入手が必要で、大人$29、子供$17(カナダドル)です。
今後のスケジュールは、10月にハロウィンをテーマとした「ゴースト・トレイン」と「トリック・オア・トリート・トレイン」、12月にはクリスマスのテーマ「スピリット・オブ・クリスマス」のショーが開催されるとのこと。
売り切れることもあるのでチケットはお早めにお求めすることをお勧めします!