ベトナムといえばオートバイ天国。
特にホーチミンやハノイなどの大都市でのオートバイによる交通渋滞は有名です。
もはや、朝晩のラッシュアワーは、バイカーたちが大通りを占拠し肩を並べながら信号待ちしてる姿は街の風物詩。
慣れていない旅行者たちにとっては道路を横断するのも一苦労です。
なにせ、ベトナム発のおしゃれなファッションブランドTシャツにもグラフィック化されているくらいですからね。
サイゴン(=ホーチミン)の交通渋滞、まさにこんな感じです。
サイゴンは色々なバイクで街が彩られています。
交通ルールはあってないようなもの。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」って奴です。
そんなホーチミンの渋滞がピークに達し、大狂乱状態に陥ったのが2018年1月23日の夜です。
この日はきっとベトナム各地が熱狂の渦に包まれたことでしょう。
なぜって?
この日は、中国で開催されていたAFC主催のU-23アジア選手権で、ベトナムのチームがカタールを破り決勝進出を果たしたんですね。
これはベトナム史上歴史に残る快挙だそうで、何しろ金にものを言わせて設備やら何やら充実しまくっているカタールを破ったのですから、金持ってないけど、俺たちベトナムの底力はすごい!!
ってわけで国中あげての大騒ぎです。
私はこの日はクチトンネルのツアーで郊外に出ていました。
クチとは、ベトナム戦争時に対米軍用に作られた難攻不落の巨大な地下トンネルです。
一部の地下の穴やトンネルの内部など体験でき、なかなか興味深い施設です。
ただし現在体験できるトンネルの大きさは見学者用にだいぶ拡大されたようで、本来は欧米人などがフィットしない、ベトナム人サイズのものだったとか。
ツアーガイドのお兄さんの訛りと喋り口調が面白くてツアー自体はなかなか楽しめたのですが、射撃場でテレビに群がっている地元民たちから何やら感激の雄叫びが。。。
どうやら、ベトナムのサッカーチームが決勝に駒を進めたとの朗報が入ったようです。
ガイドさんは「あー、こりゃ帰りは渋滞で大変だなあ。」とこぼしてたら、
本当に帰路は街に近づくにつれて、渋滞はどんどんパニック状態に。
若者たちはオートバイに乗りながら、
ベトナムの国旗を翻したり、
ムービーを自撮りしたり、
ベトナムの勝利万歳を叫んでいます。
観光客も、地元の老人から子供まで町中が勝利に酔いしれています。
バス中から外を覗くと、まさにカオスなパノラマが。
ツアーのバスは結局町中のオフィスまではたどり着けず、
途中から下車して数ブロック歩いて戻ることに。
私も街の狂乱と興奮を肌で感じながら、しばし街を闊歩しました。
ベトナム万歳!
ちなみに、27日のウズベキスタンとの決勝戦では延長戦の末2−1でベトナムは惜しくも破れたのですが、処変わりダナンの街でも、やはり国旗を抱えた若者たちが街をバイクで徘徊していて、先日のホーチミンほどでないにしても、かなり盛り上がっておりました。
しかし、この街では渋滞で道を渡るのは、ほんとに至難の技です。
もうある程度の車やバイクが引けたら覚悟を決めて歩き出さないと、いつまで経っても渡れません。
慌てず走らず、気を沈めて静かに同じペースで歩き出します。
そうして、車やバイクが自分を避けてくれることを祈りながらまっすぐ歩き続ける。
もうこれしか道を渡る方法はありません。
ホーチミンは6年前から地下鉄の工事が始まり2020年に完成の予定だそうで、渋滞緩和が期待されているのですが、資金不足や投資不足やらで延滞しているそうです。
果たして2020年までに完成するのでしょうか。