カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の町、カムループスに、町の人々に愛される蒸気機関車があります。
この町にきてから、この古い蒸気機関車に乗るのを楽しみにしていましたが、いよいよその日がやってきました。
カムループス・ヘリテージ・レイルウェイ(Kamloops Heritage Railway)はシーズンごとにテーマが変るアトラクションであり、12月のテーマは「スピリット・オブ・クリスマス」です。
クリスマスの飾り付けをされた蒸気機関車に乗り込み、8㎞の距離、約1時間の乗車を楽しみます。
乗車駅であるローン・ストリート・ステーションに到着するとカラフルにライトアップされた蒸気機関車が入線してきました。
駅舎前ではホットチョコレートとクッキーが持てなされ、アクターたちが合唱するクリスマス・キャロルが始まりました。
入り口で車掌さんにチケットを見せて乗車すると、豪華に飾られた客車の中は既にたくさんの乗客でいっぱいでした。
12月の毎週末走るこの機関車のチケットは、初日には既に完売になるほどの人気で、お孫さんを連れたお爺ちゃん・お婆ちゃんなどファミリー総勢で参加されている方が多く見られました。
夜7時、大きな汽笛を鳴らして、いよいよ出発!
車掌さんが本日のルートと機関車の歴史などのアナウンスを始めると、向こうからサンタクロースやスノーマン、トナカイ、そしてドレスアップしたアクターさんたちがキャンディーやオレンジを配りながら、乗客に「メリー・クリスマス」と挨拶して周ります。
今から100年以上前の1913年より活躍していた蒸気機関車は、ガタガタ、ガッタンとかすかに横揺れしながら走り、その歴史と年季が肌で感じられる楽しいものでした。 町の中心を走るトンプソン・リバーを渡ると向こうにカムループスの町の夜景が見えました。
素朴ですが町の明かりが川に反射し美しい景色が広がります。
座席は全席指定ですが、2号車はオープンデッキになっていて夜風に当たりながら機関車のライトアップと夜景を楽しむこともできます。
この夜の気温はマイナス2度と寒かったですが、座席にはブランケットが置いてある心遣いが嬉しいです。
ファミリーが集まり笑顔があふれる心温まるクリスマスらしいアトラクションで、この蒸気機関車が町の人々にとても愛されている理由がよく分かりました。
来年2019年のカムループス・ヘリテージ・レイルウェイでは、通常のライドに加えて、地元で造られたワインやクラフト・ビールとコラボレーションしたスペシャル・テーマを予定しているとのこと。
近郊にいらした際には、ぜひレトロな蒸気機関車を体験してみて下さい。